日々、反省。産科領域の鍼灸
長文シリーズ 『ヒトは常に反省と反復の巻』
鍼灸の事を書く。 参考になる人はなるかもしれない。
濃い週末 印象に残ってる処置を書く。
臨月の方が旦那と共にいらした。 予定日が過ぎていて月曜になると促進剤を入れられる。自然に分娩したいと。
ウチは何でも屋。 昭和の良き鍼灸院。人情第一。
最近は若い方が多く、生理止まってるので来させる治療が多い。早い人ならその日のうちに来る。婦人科が最近多い。
話を戻すと 実はうちの嫁も鍼で陣痛をこさせてモロた。 僕の尊敬する先生に。 読んでる人は色々な方がいるが そういうニーズも鍼灸にはあるのだ。
これは伝承に近いと勝手に思っていて 2年前のオレはいつかオレもそういう時が来るとその治療を目に焼き付けた。
似たような患者さんも見てきた。
開業して妊婦さん。ちょいちょい来る 処置中、妊娠してると気がつき、病院行ってもらった方。そのままケアで来てる方。様々だ。
その臨月の方が来るまで色々な事を思い 絶対泣いてしまうので、先に泣いといた。
あと既存の方は気がついてるかもしれないが メイン治療室の前に十字架をぶら下げてる その対角に水晶をぶら下げてる。
特別な時のためにオレは そこに祈りを込めている。 十字架を首にかけて 水晶に祈りを込めて治療に向かう。
嫁の出産時にはその十字架を渡した コエンマでいうオシャブリに近い
生理を出すのではなく命を出す治療なので 泣いておいてキレイな心で治療したかった。
プランは一回目で前駆陣痛を発生させるか、痛みの質を変えること。 2回目で決定打を打つ。2回目から一日以内に陣痛がくれば予定どうり。 来るまでに12手考えた。
俺の中の堕胎処置があるのだがそれは12手目 絶対使わないと決めていた。
だいたい、予定日過ぎても来ないヒトは 尺の脈がない。 ※ヨメがそうだった。 けどその方はあった。 脈が落ちないように慎重にツボを選ぶ。 一日目はより脈を賦活させて終わる。
二日目。 長野式の子宮筋を緩める処置 コウケイ、三陰交を初めにした。 これが後々考えたらチョイスミスだった。 逆だった。
けど赤ちゃんが動いていると ママさんは言うが 患者さんの腹が落ちが悪い。 出るにはもう少し落ちないといけん。
最後にオンルを入れる。 そこでかなり下った。
オンルはオレは扁桃体のツボと思っている 精神の方に使うツボである。 けど扁桃体は陣痛にも関係がある。
引用。
オキシトシンというホルモンは陣痛を起こす作用だけでなく、産後はおっぱいの分泌にも作用することがわかっています。そんな中、人では扁桃体という脳の深いところにある部分に作用して、信頼などの人間関係にも影響を与えているということが最近の研究で解ってきました。自閉症という病気がありますが、自閉症のお子さんではこのオキシトシンのホルモンが他のお子さんと比較して僅かに低いという報告もあることから、このホルモンと自閉症の症状との間には何かが関係があるのではないかとされています。
と。
更に
オンル。は別名『蛇頭』という 扁桃体は原始的な部位だ 蛇の遺伝子コードが組み込まれてるらしい。 蛇は色々この世界において意味を持つ。
ここはウロボロスをイメージして 流注に沿ってではなく逆らって口で尻尾を咬ませるようにして打つと効く。
ぼくはオカンの職場の自閉症の方の施設を訪問してオキシトシン点鼻やらそこら辺を気にしていたので尚更ここのツボには思い入れがある。
治療後かなり下ったので 明日、明後日には自信があった
けど明日もおいでと云うた
ここがエゴである。
けど先方は明日は様子を見ますと云うた それが良かったと思う。
そしたら針打ってから24時間後 破水したと連絡がある 昨日の夜だ。 前期破水。
不安がよぎる
そこに乗っかって陣痛がきたらいいが そこから12時間以内にそれが来なければ感染 リスクが高まる。そうなれば促進剤はおろか、抗生剤をいれんといけん、
本末転倒である。
だから昨日は寝れなかった。
けど幸いなことに 今朝無事生まれたと連絡が入る 破水からスムーズだったらしい。
ホッとした。 子宮筋を緩める処置の前に脳系にアプローチした方が良かった。逆だ。
感謝されはしたが 結果論だ。
もっともっと考えないといけない。
脳系のアプローチからの子宮筋緩めるアプローチの方がいいと思う。
鍼灸師としてあまり遭遇する案件ではないが僕の周りにはあと2件ある。 リファインして望みたい。
次は破水させない。
思考は止めない。
針打って良い結果が出ても それは結果であり。神様がくれたものだ。
けど
無事生まれたので良かった。
また時が経てば会うときもくるだろう。
開口一番。言葉は決めてるよ
『ゴメンな。』 って。
オジサンは。まだまだだ。 当たり前だけど。