治療の本当の意味

今日嬉しいことがあった。
一人忘れられない患者がいる。  膝痛の患者さん。 膝は簡単に治った。
年は俺より少し上。 数年間引きこもりだった。 働いてない。 仕事でのトラウマがあった。
俺も引きこもりだったから


「治療とかじゃなく朝俺早く来るから散歩でもせえへん?今日からダチや!何でも俺に話せよ!」
と始まった散歩。 もちろん、金など貰わない。 僕も散歩したかっただけだから。 一時間。色んな事を話した。
このままじゃ駄目なこと。 最後は一人になり死んでいくこと。 好きなゲームや漫画のこと。 お母ちゃんはいつまでもいないこと。
朝一緒に松屋にも行った。 いつも一人で飯食うてたから。
「誰かと食うとうめえだろ!いつか働いたら奢ってくれよな(笑)」 なんて。
最近は忙しくなって散歩できてなかった。 彼は僕との散歩以外ロクに外に出ない。
去年の11月下旬頃
「先生!僕働き先決まりました!週③だけど。。」 急に院に来て話してくれた 僕は嬉しかった。
「いつでも職場で何かあったら話しに来て!愚痴なり何なり一緒に解決しよーぜ!」
と。
そんで今日、散歩に誘ったら 「先生、今日仕事なんだ、いうてなかったけど週⑤働き出したんだ!」
僕は泣きそうになった。 安心した。 もう僕は必要ないなと。 もう大丈夫だ、彼は強くなった。
鍼の介入は膝が痛くなったり寝れなかったりした時の1年で5回くらいしかしてない。
あとはずっと散歩。
心から話して友達になった。 話すのはあえて嫌な事、目を背けたい事を 話して解決するような会話を織り交ぜた。
心が通じ合えば人を動かす助けが出来る 彼は患者さんではない。 友達になった。
彼は成長した。 僕も成長しようと思う。

院を忘れてもらうくらい 元気であればそれでいいんだよ。
元気でやれよ!